「ハイドンのセレナーデ」として200年以上親しまれてきたこの名曲ですが、現在の研究では真の作曲者はローマン・ホフシュテッター(Roman Hoffstetter, 1742-1815)であることが判明しています。ホフシュテッターはドイツの修道僧でアマチュア作曲家でした。ハイドンを深く崇拝し、そのスタイルを模倣して作曲していましたが、出版社が当時絶大な人気を誇っていたハイドンの名を利用して出版したのです。興味深いことに、ハイドン自身も晩年に作成した作品目録にこの曲を加えてしまいました。
原曲は弦楽四重奏曲 ヘ長調 作品3-5の第2楽章「アンダンテ・カンタービレ」です。「セレナーデ」とはイタリア語の「sere(夕方)」に由来する「小夜曲」のこと。恋人の窓辺で夕暮れにギターなどで歌われる愛の歌を指します。この曲でも、ギターを模したピッツィカート(弦を指ではじく奏法)の伴奏の上で、美しい旋律が歌われます。
ピアノ版ではハ長調またはト長調に移調され、左手のアルベルティ・バス(分散和音による伴奏形)が原曲のピッツィカートを再現しています。中間部ではト長調(または原調から5度上)に転調し、再び主調に戻る構成です。気品ある旋律と緻密な構成を持つ、まさに名曲と呼ぶにふさわしい作品です。
| 難易度 | A |
|---|---|
| ページ数 | 2 ページ |
| MIDI | ![]() |
| ライセンス | Creative Commons Attribution-ShareAlike |
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