ルイ・ストリーボッグ(1835-1886)は、ベルギー出身のロマン派の作曲家・ピアニストです。本名はジャン・ルイ・ゴバールツで、「ストリーボッグ」は本名を逆さに綴ったペンネーム。生涯で1200曲以上のピアノ作品を残した多作な作曲家でした。
「すみれ」(La Violette)作品99の1は、ヘ長調、4分の3拍子のワルツ風の小品です。曲は大きく分けて、滑らかで歌うような柔らかい第1テーマと、軽快でリズミカルな第2テーマで構成されています。この2つの対照的な性格がパッと切り替わる場面転換が、この曲の魅力となっています。
全体を通して左手の伴奏にスタッカートが多用され、軽やかではつらつとした雰囲気を生み出しています。演奏のポイントは、柔らかいメロディ部分と鋭いリズミカルな部分のコントラストをしっかりつけること。また、ワルツ特有の円を描くようなエネルギーの流れを意識すると、より音楽的な演奏になります。
技術的には初級レベルですが、シンプルな曲だからこそ粗が目立ちやすく、丁寧に仕上げることで味わい深い演奏になります。日本では発表会の定番曲として長く親しまれている、可愛らしい作品です。